渋谷

aspirin_akira2006-12-25

渋谷を見下しながら歩いてみた。
街の時間はめまぐるしく早い。
「おいちんたら歩くな。」
後ろでラジオ風に喋っていた二人組もイライラしている。
馬鹿じゃないの。
都会きて良かったひとつめ。
みんな馬鹿。
橋の上から見下ろしてにやにやしてたら、下に座ったメガネと目があって恥ずかしかった。
人を押しやって前に進む人。
「みんな忙しいんだねーあたし全然ヒマ。」
「それはそれでよくないんじゃ……。」
「た、確かに。」


よく晴れた空を見上げる人もなく
綺麗な夕焼けに気付くこともなく
回遊魚のように一心に前だけ見つめて、人の波を泳いでいる。
そうやって、人生のほとんどを他人の後頭部を見て終えるんだよ。
とても滑稽で、笑える。
この街ではそれは当たり前でしきたりだから
抗うこともなく、文句も言わず
ただ、ただ、足を運べばいいらしい。